少年院の情報を網羅!徹底的に解説!
少年院とは?
大人でいう「刑務所」に近い部分もありますが、少年院の存在意義は、刑務所のそれとは大きく異なります。
刑務所は刑罰であるのに対し、少年院は更生を目的とした「矯正施設」です。そのため、前科も残りません。
日本には、全国で50箇所以上の少年院があります。
初等少年院とは?
義務教育が終わっていない少年(中学生)を対象としており、たとえ15歳でも中学校を卒業していれば、基本的に初等少年院に送致されることはありません。
初等と中等の違いは中学生かそれ以上か、といった年齢によるものなので、初等少年院の方が期間が短かったり生活が楽だったりということはありません。
中等少年院とは?
全国にある少年院の9割以上は中等に対応しており、少年院送致を言い渡された少年のほとんどは中等に送致されます。
中等少年院の期間は11ヶ月または12ヶ月となることが多いですが、比較的長期や相当長期などの勧告を受けた少年も収容されています。
中等少年院に収容される少年の非行事実としては、窃盗・傷害・暴走・ひき逃げ・恐喝・強盗・強姦などが多いです。
特別少年院とは?
特別少年院の期間は1年間となるのが基本ですが、18ヶ月以上や24ヶ月以上などの長期勧告を受けている少年も多いです。
特別少年院に収容される少年の非行事実としては、強盗致傷や傷害致死、殺人未遂などの重罪行為が多く、少年院への再入者や少年ヤクザなどは収容されやすい傾向にあります。
医療少年院とは?
女子収容者の中絶なども、医療少年院で施術します。
医療少年院では少年を更生させるための矯正教育を受けさせるとともに、各少年の身体状況に応じた専門的治療を行います。(教育プログラムと医療プログラムの連携)
国内で最も有名な医療少年院は東京にある関東医療少年院ですが、「医療少年院」と名のつく少年院は国内に4箇所あります。
女子少年院とは?
また、少女院、少女苑、女少年院(じょしょうねんいん)などと呼ばれることもあります。
全国に9箇所の女子少年院がありますが、どの施設でも「○○少年院」というような名称は使われず、○○女子学園や○○女子学院、○○少女苑などという名称が使われています。
少年院での分類処遇課程について
おおまかに分けると、種別としては初等・中等・特別・医療少年院の4種類、処遇課程としては一般短期処遇・特修短期処遇・長期処遇の3種類があります。
設定収容期間としては、約3ヶ月程度といった短期間から、約2年という長期間での設定期間もあります。相当長期などの勧告をつけられ2年以上の設定期間になることもあります。
少年院生活でのいじめ
イジメの対象となる少年は、一般社会の小・中学校などでイジメの標的になるような少年と基本的に同じようなタイプの少年になります。
ただし、少年院ではイジメが発覚するとイジメた側の少年は入院期間が延びてしまいますので、あまり大々的なイジメは行われません。
時々、「掘られたりすることって本当にあるんですか?」という質問をいただいたりしますが、それはまずあり得ないと思います。
鑑別所と少年院の違い
その際によく「鑑別所で済む場合」と「少年院に送致される場合」がありますが、鑑別所は少年院の簡易バージョンという位置づけではなく、矯正教育が目的という施設ではありません。
あくまでも、少年の最終処分を決めるために、少年の非行性や性格、事件の重大性やどれだけ反省しているかなど、少年を様々な視点から調査(鑑別)するための施設となります。
そして最終的に社会での更生が困難だと判断された場合に送致される施設が少年院です。
少年院と少年刑務所の違い
「少年」という名称はついているものの、収容受刑者のほとんどは20歳以上の成人男性ばかりです。
※対象年令は26歳までです。
年長受刑者と、比較的犯罪傾向の進んでいない若年受刑者を隔離して収容させることで、年長受刑者からの悪影響を受けないようにすることなどが主な目的です。
以上のような理由から、一般的な刑務所に比べて受刑者の更生に力を入れたカリキュラムが組まれています。