関東医療少年院について
関東医療少年院は東京都府中市にあり、全国に4箇所しかない医療少年院のうちの1つで、国内で最も有名な医療少年院です。医療法上の「病院」に該当します。
東日本における少年院の医療センターとして、男子および女子の少年に対して、専門的医療と教育を行う広域収容施設です。

| 名称 | 関東医療少年院 |
|---|---|
| 種別 | 医療少年院 ※詳細は医療少年院とはを参考。 |
| 収容区分 |
【長期処遇】
医療措置課程 (P1/P2/M1/M2) ※詳細は少年院の分類処遇課程を参考。 |
| 住所 | 〒183-0052 東京都府中市新町1丁目17−1 |
| 電話番号 | TEL:042-362-2355/042-362-2356 |
| アクセス | 国分寺駅(南口)から約2km(徒歩32分) 国立府中ICから約6km(車で約14分) |
| 収容定員 | 約124名 |
| 掲示板 | 関東医療少年院 | 少年院掲示板 |
アクセスマップ
収容少年の特徴と傾向
精神疾患
統合失調症・神経症・薬物性精神障害などの精神疾患が目立っています。
また最近の傾向としては、注意欠陥・多動性障害、広汎性発達障害など発達障害に該当する者も見られるようになっています。入院者の診断名における精神疾患と身体疾患の比率は、精神疾患者の占める比率が年々高まっています。
身体疾患
身体疾患者の病名としては、糖尿病・肝炎などが見られます。
また、外科的な手術前後のケアやリハビリが必要な期間のみ、当院で医療的な手当てを受け、その後に他の少年院に移る少年もいます。
凶悪・粗暴な非行
殺人・放火・強盗致傷・強姦の凶悪犯および恐喝・傷害の粗暴犯を合わせた比率は、一般の少年院に比べて高くなっています。
長期化
家庭裁判所の審判において、収容期間が2年を超える相当長期とする処遇勧告が付されている者も増加傾向にあります。
また、出院後の引受先が見つからないために、在院期間が延びてしまう少年もいます。
処遇の基本方針
関東医療少年院では、医療プログラムと教育プログラムの連携により、精神疾患および身体疾患の治癒のみでなく少年の更生や社会性を身に付けさせるための様々な指導をおこなっています。

教育活動の詳細
| 作業療法 | 男子:陶芸、板画、園芸、補綴 女子:裁縫、園芸 |
|---|---|
| 心理療法 | 男子:サイコドラマ(心理劇)、集団コラージュ療法、グリーンセラピー(観葉植物栽培) 女子:被虐待経験を有する少年のためのグループワーク(ひまわりミーティング) |
| 運動療法 | 体育朝礼、各種球技(バレーボール・卓球・フットサル・ソフトボールなど)、各種トレーニング(サーキット・ウェイト・エアロビクス)、水泳、コーディネーション運動 |
| 生活指導 | 問題群別指導(薬物・性・家族・交友)、ロールレタリング(役割交換書簡法)、集中内省指導、命日法要 |
| 教科教育 | 義務教育、補習教育、基礎学力向上テスト(漢字・算数) |
| 特別活動 | クラブ活動(剣道・書道・造形・陶芸)、音楽指導(音楽朝礼・コーラス発表会) |
| その他の プログラム |
篤志面接、外部協力者講話、各種慰問、読書指導、パソコン指導、SST(社会適応訓練)、珠算、茶道、生け花 |
| 主な行事 | 書き初め・餅つき・初釜・成人式・映画鑑賞会・ひなまつり(女子)・コーラス発表会・卒業式・観桜会・学習発表会・管内少年剣道大会・盆踊り・盆法要・花火大会・バレーボール大会・運動会・バーベキュー・クリスマス会 |
1日の生活
| 7:00 | 起床・洗面・身辺整理 |
|---|---|
| 7:30 | 朝食・後片付け・投薬・休憩・自習 |
| 9:00 | 朝礼 |
| 9:30 | 診察・作業療法など |
| 11:20 | 休憩 |
| 12:00 | 昼食・休憩 |
| 13:00 | 投薬・入浴 |
| 13:30 | 診察・心理療法・運動療法・非行に焦点を当てた指導・クラブ活動・講話・慰問など |
| 16:20 | 休憩・身辺整理 |
| 17:00 | 夕食・後片付け・投薬・休憩・自習 |
| 18:00 | 日記記入・自習 |
| 19:30 | 投薬・テレビ視聴 |
| 21:00 | 就寝 |
関東医療少年院の処遇の特色
- 比較的緩やかな処遇風土
- 病状や問題行動の一因であると予測されるストレスを緩和するため、他の少年院と比較して、緩やかで受容的な処遇を展開し、精神的な安定を図ることに努めています。
- チーム処遇の原則
- 1人の少年に対して、主治医・担当看護師および担任教官の三者が連携して治療・教育に当たっています。
- 処遇の個別化の徹底
- 病状が悪く、集団プログラムに参加することが難しい少年に対しても、職員とのマンツーマンによる個別プログラムの実施や室内で取り組めるワークシートなどの充実に努めています。
- 集団プログラムの充実
- 行動療法的な観点から、集団プログラム(作業療法・運動療法・心理療法・クラブ活動・音楽指導など)の充実化を図り、規則正しい集団生活の中で基本的な生活習慣や社会性を身に付けさせるように努めています。
- 被害者の視点を取り入れた教育
- 他人の生命にかかわる非行を犯した少年に対しては、職員による指導のほかに教誨師(きょうかいし)の指導による命日法要や「命と心の相談員」による特別面接などを実施しています。また、被害者団体からゲストスピーカーの方に来ていただき、全少年に対する講話を定期的に実施しています。
- 保護者に対する措置など
- 矯正教育に対する保護者の理解を深め、協力を得るため「保護者ハンドブック」の作成配布や処遇段階ごとの保護者会を実施しています。また、必要に応じて主治医を交えた家族療法などの実施に努めています。
関東医療少年院に関連した事件・出来事
1997年10月 少年Aが関東医療少年院に送致【酒鬼薔薇事件】
酒鬼薔薇事件(神戸連続児童殺傷事件)で世間を震撼させた、「酒鬼薔薇聖斗」を名乗る当時14歳の少年(通称:少年A)は、神戸家庭裁判所の審判により1997年10月、関東医療少年院に送致された。
関東医療少年院では、少年Aの治療・更生に向けて精神科医および法務教官などの専門家によるプロジェクトチームが編成。主治医を父親役、女性の副主治医を母親役として疑似家族を作り上げるという、前例のない治療体制も組まれた。
少年Aは2004年3月10日に関東医療少年院を仮退院し、2005年1月1日をもって正式に本退院した。
少年Aに関しての情報は、書籍などでも多数販売されています。
特に左記の「少年A 矯正2500日全記録」では、東京少年鑑別所元法務教官の著者が、少年A更生プロジェクトの全容などを細かく書き連ねており、少年Aに関する情報のほとんどを得ることができると思います。
少年犯罪の歴史上、最も猟奇的かつ凶悪な事件。その全貌が明らかになっています。
2005年6月 関東医療少年院に収容中の少年が逃走【脱走事件】
6月22日午後2時ころ、関東医療少年院で収容されていた少年(18)が高さ約2.4メートルのフェンスを乗り越えて脱走した。
少年は、運動のため収容者約20人で院内の体育館に移動する途中、突然走りだしフェンスをよじ登って脱走したという。当時、3名の職員が引率しており、すぐさま職員2名が少年を追ったが追いつかず、少年は逃走。
少年院側は110番するとともに、少年の立ち回り先などを予測し、約4時間後に千葉県内のマンション駐車場で身柄を確保した。








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