A4.差し入れは可能ですが、本の選び方には要注意です。
留置場や鑑別所では、わりと自由に本の差し入れが可能です。
しかし少年院となると、差し入れが可能な本の審査が厳しくなりますし、おそらく可能な冊数も限られているはずです。
留置・鑑別はマンガや小説、雑誌(酷い場合だとチャンプロードなどの非行を助長するような物も)など、基本的にどのような本でも差し入れが可能となりますが、少年院では”更生に必要があるもの”以外は差し入れすることができません。
それでは、どのような本が許可され、どのような本は許可が下りないのでしょうか。
以下に例を記載していきます。
許可されやすい本
1.各資格取得に関する参考書など
2.その他、学習・教養に関する本
3.学習ではないが、心を豊かにする上で矯正教育上有効と認められる本
上記に該当する本が必ずしも許可されるわけではありませんが、許可されやすい傾向にあります。1番・2番に該当する本は原則として許可されるでしょう。
3番に関しては、本の内容によって変わってきますし、各少年院や担当する教官の判断によっても大きく変わってくるかと思います。
許可されない(されにくい)本
1.漫画および雑誌類
2.反社会的内容が含まれていたり、矯正教育上有効と認められない本
3.中身に第3者による修正が加えられている(少年へのメッセージなど)
4.性的描写が含まれている
5.上記1~4はクリアしているが、少年に対して特に必要ないと判断された本
1番~4番に該当する本は、問答無用で却下されます。
3番に関しては、手紙や面会など教官に見られる場所では伝えられないことを伝えようとして、差し入れする本にこっそりメッセージを書く、というものを指しています。
差し入れ時には入念にチェックされますので、必ずバレるというわけではありませんがリスク大です。止めておきましょう。
5番に関しては、例えば学習に関する本だったとしても、”今のお前にこの本は必要ないだろう”と判断されるような本です。大体そういう場合は、教官と本人が話し合い、合意の上で決まります。
また、普通なら許可されても良いと思われる本でも教官の独断と偏見により却下される場合もあります。
本を差し入れする際の注意点
少年院では本の差し入れが許可されているとはいえ、少年院としては正直なところ本の差し入れは歓迎できるものではないようです。
理由としては、①更生に必要な本は少年院内に大体揃っている(勉強の本も揃っている)、②家族のいない少年や差し入れの可能性が皆無の少年からすると良い気がしない、③院内の生活はやらないといけないことが多いため差し入れの本にまで手を出す時間はあまりない、④差し入れするにも院長~寮主任まで様々な書類審査があり面倒、などがあると思います。
入院時、私宛てに差し入れされた本があったのですが、担任の教官から①と②を特に強調して言われました。
「”どうしても”というなら入れるけど。」と言われましたが、”どうしても”というほどでは無かったので、領地(少年院に預け倉庫に保管しておくこと)しました。
各少年院や教官の判断により異なるのかもしれませんが、少なくとも私の経験上では「少年院としては保護者にあまり差し入れをしてほしくない」ようでした。
私が入院していたのは中等長期でしたので、一般短期や特修短期で入院している少年にはまた別の対応がされているかもしれません。
また同じ中等長期などの長期処遇でも、各少年院や担当教官によって変わるかもしれませんので、差し入れしようと考えている少年院へ直接問い合わせてみると良いかもしれませんね。
おすすめ書籍
ここで紹介する本は、必ずしも差し入れが許可されるわけではありません。
ただ、私が留置場~少年院で読んだ本の中で、タメになったもの・心が豊かになったもの・更生する上で少なからず役にたったものを中心に紹介します。
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